塩について(2)

不思議です。同じ塩をつかっていて、同じ行程と同じやりかたで味の違いがでる。振り塩一つとっても、人によって味がちがうんです。按配とか塩梅とかっていうんでしょうか?振り塩でも手の向きを上向きにするか下向きにするかで味がちがう。もちろん一番大切なのはその時の心のあり方ですが・・・。一番基本の素材調味料だからこそ、その違いがはっきりとわかる不思議な調味料です。歴史は人類以前・地球の存在の時からある素材なのですが、生命の起源からはじまり、まだまだ不明な部分が多く解明されていない素材の一つです。

  • ふり塩(振り塩)
    食材に塩を振ること。手に持った塩を高めにかまえ、まんべんなくかかるように指の間から振り落とします。手首のスナップをきかせるがミソ。「肉は約1%の塩を焼く直前に、魚は2〜3%を20分くらい前に」が目安(*1)=あて塩
  • あて塩(当て塩)
    振り塩(1)と同じ意味。「振る」という言葉が嫌われてこの言い方に。
  • 塩もみ
    食材に塩を加えてもむこと。食材の重さの1%程度の塩分で。サラダや酢物の下ごしらえや即席漬けとしてよく行われますね。
  • たて塩(立て塩)
    3%程度(海水くらい)の塩水のこと。これに浸すやり方を「たて塩をする」といいます。イワシやアジを真水で洗って身が白っぽくなるのを防ぐ意味や、魚にむらなく適度に塩分を浸透させるのに有効。きゅうりなど水分の多い野菜にも使われる手法。
  • ひと塩
    材料の重さの1〜2%程度の塩を軽く、うすくふって、うす塩味をつけること。
  • 撒き塩
    例えば白菜の漬物を作るとき、葉に塩を振りまきながら重ねていきますが、このような使い方をいいます。
  • 甘塩
    魚などにうすい塩味をつけること。塩分の濃度はまちまち。
  • べた塩
    表面が白くなるくらい、たっぷり、べったりと塩をまぶすこと。脂肪が多く身の厚い魚に用いられることが多い。身がしまるほか、防腐効果も。=強塩
  • 強塩(ごおしお)
    表面が白くなるくらいべったりと塩をまぶすこと。=べた塩。しめサバを作るときなどに使われるテクニックです。

    呼び塩
    薄い食塩水にしばらくつけて浸透圧の作用で塩抜きをします。塩味が強すぎる塩鮭などから適度に塩を抜きたいとき、水で塩を抜こうとすると食材が水を吸って水っぽい味に。これを避けるために行います。濃度は素材の塩分次第で加減します。
    迎え塩
    呼び塩と同じ意味。

    紙塩
    食材に薄い和紙をのせ、その上から塩を振ってしばらく置いて、やんわりとした塩味をつけ、同時に臭み等を和紙に吸い取る方法。脂肪分の多いブリや、牛肉に。

  • 淡塩
    野菜の漬物や魚の干物などにつける塩味を薄味に仕上げること。

    塩ごろし
    野菜や果物に塩をふったり塩漬けすることで、酵素の活動を抑えること。例えば、りんごが褐色になるのを防ぐなど。

    化粧塩
    魚の姿焼き等で、焼く直前に塩を振ってきれいに仕上げるやり方。「飾り塩」とも。尾びれなどを塩できれいに仕上げるのは「ひれ塩」ともいわれます。

    飾り塩
    化粧塩と同じ。魚の姿焼きなどで、焼く直前に塩を振ってきれいに仕上げること。