■日本の伝統食材「乾しいたけ」 乾しいたけの旨み成分「グアニル酸」は、昆布の「グルタミン酸」、鰹節の「イノシン酸」と並ぶ三大旨み成分のひとつです。これらは日本食の味の基本です。確かに料理するのに手間暇かかりますが、手間の分美味しさはひとしおです。幸せをかんじますよ。
「どんこ」「香磨v「香信」(ここまでは開き加減による呼び名)「白花」「茶花」「花」「天白」(ここはその形状についての呼び名)「荒葉」「大葉」「中葉」「小葉」「厚肉」「薄葉」「小粒」「中粒」「大粒」(ここまでは大きさと暑さ、そして形状で分けている)「上」「特上」(それを自分たちである程度区分けしている区分)わけの判らない言葉が並びます。
これは昆布も同じ。昔からビタミンDが豊富と言われていた。きのこだから食物繊維が豊富で低カロリーきのこにはガン抑制作用があると全般的にいわれるが、本当のところはわからない。生の椎茸は春の椎茸、夏の椎茸、秋の椎茸、冬の椎茸と年中でるが、生育の遅い時期の椎茸は身がギッシリと入っていて美味しく感じる。夏場の椎茸はでても旨くない。岩手の椎茸でも、全部が原木椎茸ではないので、よ〜く素材を確認してから見ること。椎茸そのものの種類も様々とあるようです。私はきのこ採りをしますが、岩手の風の強い高原には天然の椎茸が生えている時があります。それと、ジャンボ椎茸という種類などをみていると随分違うと感じます。ジャンボ椎茸は生のまま薄切りにして、サット熱湯をかけて、ワサビ醤油で食べると香りと口の触感が良く美味しい。天然の椎茸は塩ぶっかけてホイル焼きとかで食べると香りが良くて美味しい。乾燥の椎茸はさらにうま味成分が増すので、煮しめとか茶碗蒸し、鍋焼きうどんにすると・・・噛みしめたときジュワッとうま味が、でてくる時に、涙がでるくらい美味しくなります。まさに世界に誇る日本の乾し椎茸ってわかる瞬間です。香港や上海で極上の乾物のなかに日本の乾し椎茸とか、乾しあわび、サメのヒレ、乾しホタテを売っていますが、目の飛び出るくらい高かった気がします。ああいうのをみると、中国で日本の椎茸を高く売っていて、日本には安い中国椎茸が入ってくるのをみると、ほんと日本人で不思議な国民だな〜と感じるときがあります。
種類と特徴
中国産と、国産があるが、個人的には中国産と国産ではとくに香りの点で国産品がやはり旨いと感じます。なぜだかわからないが栽培の方法(原木、菌床)なのか、乾燥のときの空気の状態なのか、種類がことなるのかはわかりません。中国の椎茸は大半が菌床椎茸ときいているが、最近原木の椎茸も入ってくるので、よ〜く見極めてから選ぶ事。同じ椎茸でも随分ちがうと感じる時があり、とくに中国産の場合は形状をみて、国産品と比較をして、そして、一回水で戻してみて、そのダシと香りを確認してから、導入するようにしていく。一般的にはどんこが珍重されるが、その他の種類も悪くない。香りとダシを楽しむのであれば、香信の方が美味しいと感じる。椎茸そのものを食べるのであればどんこと言う人もいるが、どんこも身が厚いとスライスしてつかうので、別に香信でも不自由はない。価格の面では、さらに葉の規格を変えて「荒葉」の規格などでも味的には変わらないので、少なくてよい椎茸をつかうより、多少見栄えは悪くても多く使った方が美味しいダシが一杯出てくる。
冬(どんこ)
戻すのに時間がかかるけど、食べては肉厚で美味しい
直径が3cm〜4cmでかさが開いていない身の締まった肉厚の椎茸の総称。10時間から1時間は水につけて、冷蔵庫で戻してください。煮物などにつかう。寒い時期にゆっくりと育ったもので、こんもりと丸く、肉厚で固い歯ごたえで、煮てもいためても美味です。小さいものはそのまま、大きいものはそぎ切りに。中華料理によく使われ、外国にも輸出されています。また、気象条件によってカサの表面が亀の子のようにひび割れたものを「花どんこ」「茶花どんこ」と言って珍重されます。中国ものでは白系統の冬魔ノ同じように割れたものを「白花どんこ」「白天白」などと言ったりしている。
香(こうこ)
「どんこ」と「こうしん」の中間のタイプで、両方の漢字をひとつずつ拝借して命名されました。
中国語では、「シャンクー」と読み、椎茸全般のことを指す意味です。ボリューム感があり、コクのある味です。
香信(こうしん)
短時間で戻り、手軽に扱える乾しいたけ
直径が4p〜6pで、傘が8分ほど開いている乾しいたけです。香信も森林資源が豊富な岩手県産を中心にご紹介したいのですが、岩手県産の香信は生産量そのものが少ないので、他の産地(当然、国産です)になる場合もございます。
冬魔ノ比べ身が薄い香信ですが、その分表面積が広いので、水に4時間から6時間漬けるだけで戻ってしまいますし、また、ダシも出やすく手軽に使える乾しいたけです。
乾しいたけをスライスして使うような料理には香信、そして、肉厚なしいたけの食感をお楽しみになる時は冬磨Aと云った使い分けをおすすめします。
スライス
採取した生椎茸を、薄くスライスしたものです。水戻しの時間が短く、料理にすばやく使えるすぐれものです。国産のスライスと中国産のスライスがあるが、中国産の方が今のところ普及価格のしなについては見栄えがよくみえます。
しいたけ粉
採取した生椎茸を、粉にしたものです。水戻しの時間が短く、料理にすばやく使えるすぐれものです。粉にしたものと、ダシをとったものをフリーズドライにしたものも一部にあるようです。
外国産の椎茸のほとんどが菌床栽培なのに対し、日本産は原木栽培が中心ですと書いているものもありますが、実際は菌床栽培は6割前後あるのではないでしょうか。原木栽培は、より自然に近い条件でじっくり栽培する、古くからの栽培法です。舞茸も同じです。
「国産原木乾しいたけ」を消費者に安心して購入してもらうため平成7年6月に乾しいたけの関係団体が集まり、国産原木乾しいたけのシンボルマークを制定。シンボルマーク商品は安全のあかしです。