お客さまから頂いた不明桜の資料
 

奥州里桜
おうしゅうさとざくら
Cerasus Lannesiana 'Oshu-satozakura' nov.
■花弁数:10〜15枚
■花径:3.6〜4.4cm
サトザクラの栽培品種。岩手県盛岡市周辺で栽培されているもので、関東以南での生育はよくない。植えていたサトザク
ラと周囲のオオヤマザクラから生まれたものと考えられている。丸く大きな花弁は淡紅紫色で縁は色が濃い。正常な雌し
べが1本ある。花柄がほとんどないところはオオヤマザクラに由来する形質である。若芽は紫褐色で花のあとから伸びる。
小枝は上向きに伸びて太枝はあまり横には広がらない。
萼筒は長鐘形で萼片には鋸歯がある。

フィールドベスト図鑑 日本の桜 勝木俊雄
オウシュウサトザクラ<奥州里桜>
Prunus Lannesiana × P.sargentii
サトザクラ×オオヤマザクラ
■盛岡市内のところどころで栽培されている品種。
原敬記念館にある「戴桜」と呼ばれている古木もこのサクラである。
サトザクラとオオヤマザクラの交雑の結果生じた品種と推定されている。
■落葉高木。成葉は倒卵形で、先端は短尾状鋭尖形、基部は円形、ときにごくわずかに浅心形。
鋸歯は重鋸歯、先端は芒状でその先に小腺体がある。表面は濃緑色で光沢があり、裏面はわずかに白色を帯びる。
葉柄の上端から3〜7ミリ下に蜜腺が1〜2個ある。鱗片、萼筒、萼片は少し粘る。
萼筒は細い鐘形。萼片は長楕円状披針形で少数の鋸歯と縁毛がある。
花弁は約10個、淡紅紫色で先端は色が濃い。

花期 4月中旬(三島市)、4月中旬〜下旬(東京)、5月上旬(盛岡市)

芒≪学研 パーソナル現代国語辞典≫
のぎ【芒】
    稲・麦などの実の先についているとげ状の毛。のげ。beard  

腺≪学研 パーソナル現代国語辞典≫
せん【腺】
    物質を分泌する器官。  
腺体

披≪学研 パーソナル版漢字辞典≫
【披】
   8画 []部 {常} [音]ヒ [意]かぶる/きる/ひきづな/ひらく